軽トラ和尚の旅日記

軽トラの荷台に坐禅堂を積んで走る禅僧の修行

軽トラ和尚の旅日記

外装に使う断熱サイディング

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 写真に撮るのに逆さまに置いてしまったため、よく見ると上下が逆で下地の合板に止めるビス穴が下になっているが、実際にはこのビス穴の方が上になる。この外壁材は友の寄進によるもので誠に有り難い限りである。作業場も提供して頂いており恐縮この上ない。この外壁材をこうして写真にとると軽トラのボディの色と馴染んでいる。まったく違和感がない。まるで坐禅堂の屋根外壁になるために生れてきたのかもしれない。これを外壁材の成仏と呼ぼう。

 当初、縦張りにするか横張りにするか大いに考えた。素材を矯めつ眇めつして、水切りの具合や雨水、風雨、降雪、積雪あるいは見た目などなど、大いに悩ませてくれたものだ。その結果はやはり横張りに適しているとの結論を得た。そうと決まれば話は速い。あとはその繋部分の雨仕舞(あまじまい)をどうするかだ。今は色々と水切り材があるので、これもホームセンターに行って選ぼうと思う。

 この外壁材の模様はいわゆるレンガ目地である。レンガを平らに積んでいくときの模様なのだが、洋風ではないかと思われるかもしれないが、坐禅堂が和風でなければならないというのは固定観念である。まずこの観念を捨てなければならないことに気がついた。いわゆる「らしくない」という固定観念をキッパリ捨てて、軽トラの荷台の上でも坐禅ができることを喜びたい。要するに空間を利用するのは人間なのだ。

 人間以外にも、相棒の存在は検討に値する。マンションやアパートでペット禁止という場合が多い。旅と言っても決して急ぐ旅ではないのだから、このモバイルハウスで猫を飼うことだってできる。だれも文句言えないだろう。猫が車に酔わないだろうかという心配、トイレの匂いはどうするか、こんな心配をするなら飼わないことだ。ただいま深く検討中。この結論は、猫との出会いによって決まるであろう。

 さてこの断熱材付きサイディングボードは軽い。断然かるいのである。切断も普通のノコギリでOK。切り口は木か水切り鉄板で押さえる。シーリングすれば万全である。45°の屋根は、このサイディングボードが屋根材にも使えるという利点がある。普通の規模の屋根なら逆漏れの心配があるが、この規模で走行することを考えれば、逆漏れの心配は無用である。屋根の部分だけ、継ぎ目の部分にシーリングすれば完璧であろう。

 もう一度写真を見てみた。完成イメージを頭に描きながら、この坐禅堂を見て、だれが坐禅堂だと気づくだろうか、誰も気づかないでほしい、と素直に思った。パフォーマンスが目的では無いからだ。わたしにとって、観音様と共に旅をする、名づけて「坐禅旅行」なのだ。

 

 

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