軽トラ和尚の旅日記

軽トラの荷台に坐禅堂を積んで走る禅僧の修行

軽トラ和尚の旅日記

軽トラ和尚、寺を建てる。

我ながら、大それたことを考えたものです。

そもそも新寺建立などということは、

修行を重ねて、徳の高いお坊さんが

これを慕う人々の篤い誠に支えられて

一念発起してかかるものです。


それをほんの思いつきのように

大した修行も積んでいない者が

協力を得られる徳も無いのに

大見得を切り

大風呂敷を広げて

大慈の幡を立てるなどと宣い

本気で寺を建てると意気込んでいます。


しかるべき人がこれを聞いたら

笑うしかないでしょう。


本人は、いたって本気なので

誰がなんと言おうと

どうしようもなく

臆面もなく

今日も知り合いに

片っ端から

肝心な勧進を行なっております。


ただ建てる規模ですが

三間に四間の12坪程度で

大間一間で

ワンルームマンションならぬ

ワンルームテンプルですから

それほど目くじらを立てられる心配はありません。


ふつうの反応は、

「あ、そう」で終わり。


世の中こんなものです。

あっさりしたものです。

「おのれほど熱くならない冷や奴」

ネギと生姜の薬味を添えて

生醤油を少し落として

どうですか?って勧めても


「それで?」


二の句が継げませんでした。


「ありがとうございました」


これでめげてるようでは

男が廃る。


次行ってみよー、でした。





©2017 shodoh_yamada.All rights reserved.