軽トラ和尚の旅日記

軽トラの荷台に坐禅堂を積んで走る禅僧の修行

軽トラ和尚の旅日記

「慈しみ」を英訳すると?

言葉は、特に母国語は、

言葉の持つニュアンスというか

語感が身体の芯まで染みていまして

日本語で「慈しみ」ときますと

直ぐに「慈しみ深い」とか

慈悲とか慈母とか慈愛とか

優しいイメージで捉えることが多いと思います。


では、英語圏でごく普通にこの「慈しみ」を

何と訳しているかと言えば

それは"LOVE"です。

キリスト教が根底にあるからでしょうか。


慈しみは、サンスクリットでmaitrī

パーリ語ではmettāといいますが

相手の幸福を望む心の意であるとされます。

平たく言えば「優しい気持ち」です。


今日は友から便りが届きました。

ここでは具体的に書けませんが

イジメを受けているというのです。

幼少時に両親を亡くした友は、

大変お世話になった方の法要の席で

心無い仕打ちにじっと耐えていました。

ところが、ついに堪忍袋の緒が切れて

切り言葉を吐いてしまったと

嘆くのでありました。


その場に居合わせていませんから

客観的には何も申し上げられませんが

一つ間違いのない事実は

友が辛い気持ちであるということです。

自身を嘆きつつも

腹立たしく、怒っているのです。

そして暗い気持ちになっています。


イジメを受ける側にも責任があると

よく思ったり言われたりしますが、

とんでもありません。

苛めるのは理屈抜きに悪いことです。


過酷な長時間労働、

陰湿な校内イジメ、

生まれ育ちによる差別。

ガキじゃあるまいし

いつまで子供のようなことをやっているんでしょうか?


情けない。


そんな会社や

仲間からは

さっさと離れなさい。

イジメは犯罪ですよ、ハッキリ。


そういって慰めましたが

やり切れない思いでいっぱいです。


今日、最強の友人に

ダンマパダ(法句経)の一節を

MCの方に朗読して戴くよう頼みました。

これを音楽用CDに焼いて

送ろうと思います。


観音様ならどうされるであろうと

考えに考えていましたが

ふとしたきっかけで

思い当たりました。


私もこの一節で心打たれた者の一人です。

これをそのまま伝えようと

何も加えることなく

何も解説することなく


ただ真実の言葉を

ブッダの言葉を

そのまま届けたいと思いました。


慈しみのことばを。






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